気になる温泉の㏗値ってなに?水素イオン指数と美肌との関係を解説!

群馬県 草津温泉の湯畑

温泉を利用する際、泉質と同じくらい気になるのが「pH値(ペーハー)」。

そんな「pH値」の数値は、温泉の効果や効能にも大きな影響を与えます。

今回は、特に美肌に効果的な「pH値」の指数と、「pH値」のもつ意味を解説します。

温泉の「pH値(ペーハー)」ってなに?

温泉の泉質を見ると、一緒によく目にするのが「pH値」。これは、水溶液中に含まれた「水素イオンの濃度」を示す指数です。

水素イオンはpH値の数値によって大きく「酸性・中性・アルカリ性」と分類されます。

温泉にみる㏗値は、環境省が定めた下記の5つのカテゴリに分けられます。

pH2~3未満:酸性
pH3~6未満:弱酸性
pH6~7.5:中性
pH7.5~8.5未満:弱アルカリ性
pH8.5以上:アルカリ性

このようにpH値が小さくなるほど酸性が強く、逆にpH値が大きくなるにつれてアルカリ性が強くなります。また、中央値の7前後が中性と分類されます。

温泉の泉質とは異なる効果があり、入浴時の触感にも大きく影響するので、温泉へ出かける際には注目しておきたいところですね!

温泉の「pH値」は美肌に影響する?

温泉の「ph値」が小さいほど酸性になるのですが、酸性のお湯はお肌の古い角質を溶かすピーリング効果(角質を柔らかくする効果)が期待できます。ですから酸性のお風呂に入ると、レモンパックのようにお肌がツルツルになるのです。

逆にアルカリ性の温泉は皮脂を溶かすので、皮膚の汚れを石鹸のように落としながら中和していきます。

アルカリ性のお湯は、ぬるぬるとした肌触りが特徴的で、お肌をやわらかく整えてくれます。

しかし酸性の温泉もアルカリ性の温泉も、その特徴が大きくなるほどお肌に刺激も強くなります。

そのためお肌が弱い人は湯上りに成分を洗い流してから出ることをおすすめします。

また、中性の温泉はお肌に刺激が少なくて優しく、お肌が弱い方にも安心で、湯上りに洗い流す必要もありません。

酸性の温泉
酸性の温泉はお肌のピーリング効果が期待でき、pH値が少なければ少ないほど強い殺菌効果が見込めます。

お肌がデリケートな方にはピリピリする刺激がありますが、そのぶん酸性泉の多くは塩素消毒なしで源泉のまま入浴できるので、根強い人気があります。

また、お肌の古い角質を溶かしてくれるので、お風呂上がりはツルツル、ピカピカになりますよ!

日本でも各地にある酸性温泉地ですが、とくに秋田県の玉川温泉、山形県の蔵王温泉、群馬県の草津温泉、長崎県の雲仙温泉などが有名です。

酸性泉の主な効果効能は、水虫、湿疹、慢性皮膚病、リウマチ、高血圧、胃潰瘍などです。

アルカリ性の温泉
アルカリ性の温泉は粒子が非常に細かいので、お肌の皮脂を溶かしながら皮膚の汚れを落とし、中和する効果があります。

ぬるぬるとろとろのお湯が、お肌をすべすべにして柔らかくしてくれます。

アトピー体質や敏感肌の方が症状を緩和するため利用したり、湯冷めがしにくい特徴があります。

有名なアルカリ性温泉地は埼玉県の都幾川温泉、神奈川県の飯山温泉、長野県の白馬八方温泉など多数あります。

アルカリ泉の主な効果効能は、美肌、神経痛、関節痛、痔疾、冷え性、病後回復期などです。

中性の温泉

中性の温泉は前述の通り、お肌への刺激が少ないので、お肌が弱いデリケートな方や敏感肌の方にも安心です。

中性泉の有名な温泉地は、新潟県の赤倉温泉、群馬県の四万温泉などがあります。

中性泉の主な効果効能は、胃腸病、神経痛、皮膚病、擦り傷、切り傷などです。

酸性とアルカリ性の温泉に入浴するときの注意点

酸性やアルカリ性の温泉はお肌への効果が期待できる反面、その刺激の強さから、温泉成分を身体に付着させたままにすると、肌荒れを起こしてしまう可能性があります。

酸性の温泉に入浴するときの注意点

酸性の温泉に入浴するとピーリング効果でお肌が敏感になっているため、身体を強くこすったり、長湯をすることは控えるようにしましょう。

石鹸などを使うとお肌の栄養素や油分が奪われ、酸性の刺激に負けてしまいます。お肌が弱い方は、湯上りはシャワーか真湯で洗い流すようにしましょう。

アルカリ性の温泉に入浴するときの注意点

アルカリ性の温泉はお肌への洗浄力が強いために乾燥しやすくなるので、アトピー体質や敏感肌の方の場合、まれにお肌の状態を悪化させてしまうおそれがあります。

入浴後はしっかり温泉成分を洗い流し、化粧水やクリーム、ボディオイルでしっかり保湿を心がけるようにしましょう。

温泉の「pH値」をしっかりと理解し、安心して入浴しましょう!

このように温泉に入浴する際には、「pH値」の役割をしっかり理解していると安心です。

自分のお肌の調子に合わせたどんな温泉を選べばいいかを熟知していると、温泉探しにも役立ちます。

こんど温泉に入る際は、泉質だけでなく「pH値」もチェックして、両方の効果と効能を実感してみましょう!

療養泉ってなに?一般適応症とともに詳しく解説します!

療養泉の定義として、環境省が温泉の成分分析のために定めた「鉱泉分析法指針」のなかで、温泉(水蒸気その他のガスを除く)のうち、「特に治療の目的に供しうるもの」として、下記の温度又は物質を有するものと定義されています。

分かりやすく言えば、身体に良い成分がいっぱい溶けこんだ温泉を「療養泉」といい、そのために必要なことは下記に書いた温度または物質を含むこと、ということです。

その療養泉の定義は、温泉源から採取されたときの温度が摂氏25度以上であること、または、下記の物質(下記に掲げるもののうちのいずれかひとつ)が含まれることが条件となります。

療養泉の条件となる物質名と含有量(1㎏中)は以下の通りです。

溶存物質(ガス性のものを除く)が総量1,000mg以上。

遊離二酸化炭(CO2)が1,000mg以上。

総鉄イオン(Fe2++Fe3+)が20mg以上。

水素イオン(H+)が1㎎以上。

よう化物イオン(I–)が10mg以上。

総硫黄(S)〔HS–+S2O32-+H2Sに対応するもの〕が2㎎以上。

ラドン(Rn)が30(百億分の1キュリー単位)以上。

これらのうち、1つ以上が含まれていれば摂氏25℃以下の鉱水でも療養泉として温泉と定義されるのですね。

療養泉の効能には、その泉質によりいろいろな効果が期待できます。その中でも、すべての療養泉に共通する効能は「一般的適応症」と呼ばれています。

療養泉の一般的適応症は以下の通りです。

  • 筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
  • 運動麻痺における筋肉のこわばり
  • 冷え性
  • 末梢循環障害
  • 胃腸機能の低下(胃もたれ、腸にガスがたまるなど)
  • 軽症高血圧
  • 耐糖能異常(糖尿病)
  • 軽い高コレステロール血症
  • 軽い喘息又は肺気腫
  • 痔の痛み
  • 自律神経不安定症
  • ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
  • 病後回復期
  • 疲労回復
  • 健康増進

温泉の泉質ってなに?温泉の成分や特徴を解説

長野県 地獄谷野猿公苑 

温泉に行くと、やっぱり泉質って気になりますよね!

せっかく温泉に行くのですから、ゆっくりと日頃の疲れを癒したり、最近荒れ気味のお肌を整えたりしたいと思うのは当然です。

日本全国には、なんと約27,000もの源泉があるといわれており、それぞれに含まれる化学成分、温度、液性(pH)、色、匂い、味、肌触りなどが違います。

ですから日本には約27,000種類の温泉があるということになります。また温泉地には温泉のお湯だけでなく、観光名所があったり、美味しいグルメがあったりと、それぞれの好みにあった温泉探しという楽しみもあるのです。

私は露天風呂の景色が抜群で、酸性の強い刺激的なお湯が特徴の群馬県の万座温泉が好きです。妻はツルツルになる和歌山県の日置川温泉や佐賀県の嬉野温泉、また世界有数のラジウム温泉でもある三朝温泉の大ファンです。

皆さんはどこの温泉がお好きですか?

温泉の泉質

温泉の泉質は、含まれている化学成分の種類と含有量によって大きく10種類に分類されています。

実際には、1つの源泉から湧くお湯には様々な成分が混ざりあっており、その割合の違いからそれぞれの温泉ごとに特徴が生まれています。

単純温泉 

単純温泉は、温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg(=1g)未満で、湧出時の泉温が25℃以上の温泉です。この中でもpH8.5以上の温泉は「アルカリ性単純温泉」と呼ばれています。

「単純温泉」といっても、決して「単純な温泉」で効能がないというわけでありません。

単純温泉には、肌触りが柔らかくて癖がなく肌への刺激が少ないという特徴があります。なかでもアルカリ性単純温泉は入浴すると肌が「すべすべ」になる感触があり、多くの女性に人気の温泉なのです!

美肌の湯として有名な岐阜県の下呂温泉(ph9.6)や大分県の湯布院温泉のほか、先述した和歌山県の日置川温泉など美肌温泉は日本全国に多数あります。

岐阜県 下呂温泉

塩化物泉 

塩化物泉は、温泉水1kg中に溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉です。

塩化物泉は、含まれる陽イオンの主成分によってさらにナトリウムー塩化物泉、カルシウムー塩化物泉、マグネシウム―塩化物泉などに細分類され、日本でも比較的多い泉質なのが特徴。

塩分が主成分ですので、舐めると塩辛く感じます。とくに塩分濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合には苦みも感じられます。

静岡県の熱海温泉や石川県の片山津温泉など有名どころも多くあります。

静岡県 熱海温泉

炭酸水素塩泉 

炭酸水素塩泉は、温泉水1kg中の溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉です。

炭酸水素塩泉は、含まれる陽イオンの主成分により、ナトリウムー炭酸水素塩泉、カルシウムー炭酸水素塩泉、マグネシウムー炭酸水素塩泉などに細分類されます。とくにカルシウムー炭酸水素塩泉からは、石灰質の温泉沈殿物や析出物が生成される特徴があり、和歌山県の花山温泉のように成分が結晶化した鍾乳石のような湯船が形成されます。

その他にも、和歌山県の川湯温泉や長野県の小谷温泉などいろいろな温泉があります。

和歌山県 花山温泉

硫酸塩泉

硫酸塩泉は、温泉水1kg中に溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉です。

硫酸塩泉は、陽イオンの主成分によってナトリウムー硫酸塩泉、カルシウムー硫酸塩泉、マグネシウムー硫酸塩泉などに細分類されます。

混浴で有名な群馬県みなかみ町の法師温泉や、静岡県の桜田温泉(ph8.8)などが有名です。

群馬県 法師温泉

二酸化炭素泉

二酸化炭素泉は、温泉水1kg中に炭酸ガス (二酸化炭素)が1,000mg以上含まれている温泉です。

二酸化炭素泉の特徴は、なんといっても入浴すると身体に炭酸の泡が付着してシュワシュワとした感触。飲用でも炭酸水独特の爽やかなのどごしを楽しむことができます。しかし、加温をすると炭酸ガスが抜けてしまうことも。

二酸化炭素泉は日本では比較的少ない泉質といえます。兵庫県にある有馬温泉の銀泉がお馴染みですが、全国の温泉の中で二酸化炭素泉は0.6%ほどしかなく、実は貴重な温泉です。

熊本県 黒川温泉

含鉄泉 

含鉄泉は、温泉水1kg中に総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)が20mg以上含まれている温泉です。さらに、陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。

含鉄泉の特徴は、温泉が湧出して空気に触れると、鉄が酸化して赤褐色になるところです。

兵庫県の有馬温泉の金泉が有名ですが、ほかにもいろいろなところで体験できます。

兵庫県 有馬温泉の金泉

酸性泉 

酸性泉は、温泉水1kg中に水素イオンが 1mg以上含まれている温泉です。

酸性泉の特徴は舐めると酸味があるところで、強い殺菌効果があります。日本では各地でみることができ、その殺菌効果から塩素消毒の必要がなく、多くの温泉地で源泉かけ流しを楽しむことができるのも大きな特徴です。

秋田県の玉川温泉や、群馬県の草津温泉、万座温泉が有名です。

群馬県 万座温泉聚楽ホテル露天風呂

含よう素泉 

含よう素泉は、温泉水1kg中によう化物イオンが10mg以上含有する温泉です。

含よう素泉の特徴は、非火山性の温泉に多く、時間がたつと黄色く変色するところです。

千葉県の青堀温泉や東京都の前野原温泉などがあります。

鹿児島県 霧島温泉

硫黄泉 

硫黄泉は温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれている温泉で、肌にも鼻にも刺激的です。

硫黄泉は硫黄型と硫化水素型に分類され、日本では比較的多い泉質です。タマゴの腐敗臭に似た独特な臭いは硫化水素によるもので、北海道の登別温泉や、神奈川県の箱根温泉郷の小涌谷温泉などが有名です。

北海道 登別温泉

放射能泉 

放射能泉は、温泉水1kg中にラドンが30×10-10キュリー以上(8.25マッへ単位以上)含まれている温泉です。

放射能と聞くと身体に悪影響があると思われがちですが、ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響を与えることが実証されています。

ラジウム温泉として特に有名なのが鳥取県の三朝温泉や新潟県の栃尾又温泉などですが、その温泉地の数は残念ながらそれほど多くありません。

鳥取県 三朝温泉

そもそも温泉ってなに?ただの湧き水との違いを詳しく解説します!

日本では、「温泉法」という法律によって温泉を定義づけしています。

温泉法なんて法律があるんですね~!


地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、下記で説明する温度※①または物質※②を含んでいれば温泉となります。

長野県 西発哺温泉ホテルさんより

まずは温度(温泉源から採取されたときの温度)で、地中から湧出したときの温度が摂氏25℃以上であれば温泉となります。


また、温度が25℃未満であっても下記の物質(19項目のうちいずれかひとつ以上)が規定量含まれていれば温泉と定義づけされます。条件を満たせば水蒸気やガスも温泉です。

※①温度(温泉源から採取されたときの温度)が摂氏25℃以上。


※②物質(以下に掲げるもののうちいずれか1つ以上)

物質名と含有量(1㎏中)は以下の通りです。
溶存物質(ガス性のものを除く)が総量1,000㎎以上。
遊離炭酸(CO2)が250㎎以上。
リチウムイオン(Li+)が1㎎以上。
ストロンチウムイオン(Sr2+)が10㎎以上。
バリウムイオン(Ba2+)が5㎎以上。
フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+)が10㎎以上。
第一マンガンイオン(Mn2+)が10㎎以上。
水素イオン(H+)が1㎎以上。
臭素イオン(Br–)が5㎎以上。
沃素イオン(I–)が1㎎以上。
ふっ素イオン(F–)が2㎎以上。
ヒドロひ酸イオン(HAsO42-)が1.3㎎以上。
メタ亜ひ酸(HAsO2)が1㎎以上。
総硫黄(S)〔HS–+S2O32-+H2Sに対応するもの〕が1㎎以上。
メタほう酸(HBO2)が5㎎以上。
メタけい酸(H2SiO3)が50㎎以上。
重炭酸そうだ(NaHCO3)が340㎎以上。
ラドン(Rn)が20(百億分の1キュリー単位)以上。
ラジウム塩(Raとして)が1億分の1㎎以上。


これらのうち、1つ以上が含まれていれば摂氏25℃以下の湧き水も温泉と定義づけされるわけです。