温泉の泉質ってなに?温泉の成分や特徴を解説

長野県 地獄谷野猿公苑 

温泉に行くと、やっぱり泉質って気になりますよね!

せっかく温泉に行くのですから、ゆっくりと日頃の疲れを癒したり、最近荒れ気味のお肌を整えたりしたいと思うのは当然です。

日本全国には、なんと約27,000もの源泉があるといわれており、それぞれに含まれる化学成分、温度、液性(pH)、色、匂い、味、肌触りなどが違います。

ですから日本には約27,000種類の温泉があるということになります。また温泉地には温泉のお湯だけでなく、観光名所があったり、美味しいグルメがあったりと、それぞれの好みにあった温泉探しという楽しみもあるのです。

私は露天風呂の景色が抜群で、酸性の強い刺激的なお湯が特徴の群馬県の万座温泉が好きです。妻はツルツルになる和歌山県の日置川温泉や佐賀県の嬉野温泉、また世界有数のラジウム温泉でもある三朝温泉の大ファンです。

皆さんはどこの温泉がお好きですか?

温泉の泉質

温泉の泉質は、含まれている化学成分の種類と含有量によって大きく10種類に分類されています。

実際には、1つの源泉から湧くお湯には様々な成分が混ざりあっており、その割合の違いからそれぞれの温泉ごとに特徴が生まれています。

単純温泉 

単純温泉は、温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg(=1g)未満で、湧出時の泉温が25℃以上の温泉です。この中でもpH8.5以上の温泉は「アルカリ性単純温泉」と呼ばれています。

「単純温泉」といっても、決して「単純な温泉」で効能がないというわけでありません。

単純温泉には、肌触りが柔らかくて癖がなく肌への刺激が少ないという特徴があります。なかでもアルカリ性単純温泉は入浴すると肌が「すべすべ」になる感触があり、多くの女性に人気の温泉なのです!

美肌の湯として有名な岐阜県の下呂温泉(ph9.6)や大分県の湯布院温泉のほか、先述した和歌山県の日置川温泉など美肌温泉は日本全国に多数あります。

岐阜県 下呂温泉

塩化物泉 

塩化物泉は、温泉水1kg中に溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉です。

塩化物泉は、含まれる陽イオンの主成分によってさらにナトリウムー塩化物泉、カルシウムー塩化物泉、マグネシウム―塩化物泉などに細分類され、日本でも比較的多い泉質なのが特徴。

塩分が主成分ですので、舐めると塩辛く感じます。とくに塩分濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合には苦みも感じられます。

静岡県の熱海温泉や石川県の片山津温泉など有名どころも多くあります。

静岡県 熱海温泉

炭酸水素塩泉 

炭酸水素塩泉は、温泉水1kg中の溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉です。

炭酸水素塩泉は、含まれる陽イオンの主成分により、ナトリウムー炭酸水素塩泉、カルシウムー炭酸水素塩泉、マグネシウムー炭酸水素塩泉などに細分類されます。とくにカルシウムー炭酸水素塩泉からは、石灰質の温泉沈殿物や析出物が生成される特徴があり、和歌山県の花山温泉のように成分が結晶化した鍾乳石のような湯船が形成されます。

その他にも、和歌山県の川湯温泉や長野県の小谷温泉などいろいろな温泉があります。

和歌山県 花山温泉

硫酸塩泉

硫酸塩泉は、温泉水1kg中に溶存物質量が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉です。

硫酸塩泉は、陽イオンの主成分によってナトリウムー硫酸塩泉、カルシウムー硫酸塩泉、マグネシウムー硫酸塩泉などに細分類されます。

混浴で有名な群馬県みなかみ町の法師温泉や、静岡県の桜田温泉(ph8.8)などが有名です。

群馬県 法師温泉

二酸化炭素泉

二酸化炭素泉は、温泉水1kg中に炭酸ガス (二酸化炭素)が1,000mg以上含まれている温泉です。

二酸化炭素泉の特徴は、なんといっても入浴すると身体に炭酸の泡が付着してシュワシュワとした感触。飲用でも炭酸水独特の爽やかなのどごしを楽しむことができます。しかし、加温をすると炭酸ガスが抜けてしまうことも。

二酸化炭素泉は日本では比較的少ない泉質といえます。兵庫県にある有馬温泉の銀泉がお馴染みですが、全国の温泉の中で二酸化炭素泉は0.6%ほどしかなく、実は貴重な温泉です。

熊本県 黒川温泉

含鉄泉 

含鉄泉は、温泉水1kg中に総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)が20mg以上含まれている温泉です。さらに、陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。

含鉄泉の特徴は、温泉が湧出して空気に触れると、鉄が酸化して赤褐色になるところです。

兵庫県の有馬温泉の金泉が有名ですが、ほかにもいろいろなところで体験できます。

兵庫県 有馬温泉の金泉

酸性泉 

酸性泉は、温泉水1kg中に水素イオンが 1mg以上含まれている温泉です。

酸性泉の特徴は舐めると酸味があるところで、強い殺菌効果があります。日本では各地でみることができ、その殺菌効果から塩素消毒の必要がなく、多くの温泉地で源泉かけ流しを楽しむことができるのも大きな特徴です。

秋田県の玉川温泉や、群馬県の草津温泉、万座温泉が有名です。

群馬県 万座温泉聚楽ホテル露天風呂

含よう素泉 

含よう素泉は、温泉水1kg中によう化物イオンが10mg以上含有する温泉です。

含よう素泉の特徴は、非火山性の温泉に多く、時間がたつと黄色く変色するところです。

千葉県の青堀温泉や東京都の前野原温泉などがあります。

鹿児島県 霧島温泉

硫黄泉 

硫黄泉は温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれている温泉で、肌にも鼻にも刺激的です。

硫黄泉は硫黄型と硫化水素型に分類され、日本では比較的多い泉質です。タマゴの腐敗臭に似た独特な臭いは硫化水素によるもので、北海道の登別温泉や、神奈川県の箱根温泉郷の小涌谷温泉などが有名です。

北海道 登別温泉

放射能泉 

放射能泉は、温泉水1kg中にラドンが30×10-10キュリー以上(8.25マッへ単位以上)含まれている温泉です。

放射能と聞くと身体に悪影響があると思われがちですが、ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響を与えることが実証されています。

ラジウム温泉として特に有名なのが鳥取県の三朝温泉や新潟県の栃尾又温泉などですが、その温泉地の数は残念ながらそれほど多くありません。

鳥取県 三朝温泉